遺言書で決められることは、以下のような事項があります。
財産や相続に関することだけでなく、身分関係に関する事項や祭祀主催者の指定などを遺言によってすることができます。
① 身分に関する事項
代表例としては、遺言による認知があります。
つまり、婚姻をしていない女性との間にお子さんがいる場合、遺言者は、遺言で認知することで、ご自身の子として相続人にすることができます。
② 財産の処分に関する事項
代表例としては、法定相続人以外の者に対する遺贈です。
つまり、相続財産は、遺言がなければ法定相続人に相続されますが、遺言者は、法定相続人とならない第三者や団体に対し、相続財産を遺言によって贈与することができます。
③ 相続に関する事項
代表的なものとして、相続分の指定があります。これによって、遺言者は、法定相続分と異なる内容の相続分を指定することができます。
そのほかにも、
- 推定相続人の廃除および廃除の取消し
- 遺産分割方法の指定
- 特別受益の持ち戻し免除
- 遺留分減殺方法の指定
などがあります。
④ 遺言執行に関する事項
遺言では、遺言執行者の指定および指定の委託ができます。
遺産相続の結果、不動産登記名義のように相続財産の名義変更手続などが必要となることがあります。遺言者は、遺言の内容を実現するために必要となる手続を行う人(遺言執行者)を指定したり、第三者に指定を委任することが出来ます。
遺言執行者の詳細は、当サイトの「遺言執行者」についてのページをご覧ください。
⑤ その他
祭祀主催者の指定などがあります。
祭祀主宰者になった方が祭祀財産(位牌、仏壇、お墓、家系図等)を承継しますので、祭祀財産は相続財産にはなりません。遺言書によって、将来的に先祖の供養をしてくれる祭祀承継者を指定し、その方に他の相続人より多く財産を相続させるなどの配慮がされるケースもあります。