遺産分割の手続きとしては、主に①協議、②調停、③審判があります。なお、そのほかに、④のとおり、遺産分割の前提問題について争いがある場合には、①又は②の前段階で民事訴訟を行う必要があるケースもあります。
遺産分割協議の基本的な流れを図にすると以下のようになります。
① 協議(裁判外での手続きでの合意)について
被相続人が遺言書を残さずにお亡くなりになった場合、相続人全員で遺産の分配について取り決める必要があります。この取り決めのことを遺産分割協議といいます。遺産分割協議が成立する場合は、一般的に遺産分割協議書と言われる形で書面化する必要があります。
詳細は、当サイトの「遺産分割協議について」のページをご参照下さい。
② 調停について
遺産分割調停は、家庭裁判所に、ある相続人(複数の場合もあります)から、残りの相続人全員を相手方にして申し立てます。
調停では、第三者である調停委員が当事者の言い分を聞きながら、相手方と遺産分割に関する話合いを進めていきます。
調停がまとまったら、調停調書にその内容がまとめられ、それにもとづいて遺産を分配していきます。
③ 審判について
遺産分割の調停が不調に終わった場合、審判手続きに移行します。
審判では、裁判官が、双方の主張を検討のうえで、審判を下します。審判に不服がある場合は、2週間以内に抗告する必要があります。
④ その他民事訴訟を行う必要がある場合
そもそも遺産分割協議を行うにあたっての遺産分割の前提となる事項について相続人で対立しているケースなどでは、民事訴訟の提起を検討する必要がある場合もあります。例えば、当該財産が遺産であること又は遺産でないことの確認を求める訴訟などがあります。
協議や調停の段階で、遺産分割の前提問題に争いがある場合で、話合いが前に進めない場合には、訴訟提起を検討する必要があります。
遺産分割は、協議又は調停の段階でも最終的に審判になった場合にどのような判断がなされるのかを想定しながら、できる限り有利な内容で解決を目指されるのであれば、弁護士に相談をされることをお勧めします。
また、遺産分割の前提問題に関して訴訟を提起するかどうかの判断は、事案の特性を踏まえて、予想される訴訟の結果なども踏まえて行う必要がありますので、遺産分割の訴訟の流れや、訴訟になった場合の勝訴見込みなどについては、事前に弁護士にご相談ください。